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「PDFの有効期限が切れています」の警告は詐欺広告!対処法と怪しいメッセージのまとめ

森本 恭平更新 約11分
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みなさんのなかには、YouTubeやニュース記事を見ていたら、スマホやPCに「PDFの有効期限が切れています」といった警告が表示されて、焦ったことのある人もいるかもしれません。

結論から言うと、それは偽広告です。絶対に開かないでください。

「PDFの有効期限が切れています」の警告(偽広告)

しかし、「最終警告」などの危機感を煽る言葉がスマホやPCの通知と同じようなデザインを伴って表示されると、「なんとかしなきゃ!」とつい対応してしまうのも無理はありません。もし、「OK」などのアクションを起こしてしまった場合、早急に安全対策を講じる必要があります。

この記事では、「PDFの有効期限が切れています」などの偽広告に関する概要をまとめています。今、不安を抱えている人たちのお役に立てば幸いです。

PDFの有効期限が切れていますの警告は詐欺広告!

インターネット上には、私たちを騙して金銭を奪おうとする罠が数多く存在します。「PDFの有効期限が切れています」といった警告も偽広告のひとつです。

一見すると、スマホやPCの通知画面と似たような見た目で表示されていますが、その実態は特定のサイトに設けられた広告枠に本物の警告画面を装う画像を設置して、ユーザーのクリックを誘うように設計されています。

ユーザーを欺くようなインタフェースを模した広告画像を設置することはGoogleの規約等で禁止されているのですが、広告を提供している仲介会社でも1件1件の細かいクリエイティブに対する審査まではできていないのが実情です。

万が一、偽広告の画面に表示されているとおりに操作を進めると、次のようなトラブルが発生するおそれがあるので、くれぐれも注意してください。

その1 自動継続課金の不正アプリがインストールされる。

その2 個人情報や決済情報の入力画面が立ち上がる。

その3 次々と別なアプリをインストールするように求められる。

いずれにしても、あなたから金銭や情報を奪うために仕組まれた詐欺行為につながります。****

偽広告に反応してしまった場合の対処法

それでは、偽広告に反応してしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか?

ここでは、状況に応じて具体的な解決策を紹介します。

その1 ボタンを押しただけの場合

第1に、偽広告をタップしただけならば、遷移先のページを閉じてください。偽サイトにアクセスしただけでは、何らかの被害が発生する可能性は少ないと考えられます。

なお、ブラウザで閉じるときは、画面の中のボタンを押さないのがポイントです。というのも、詐欺グループ側が作った偽物の「キャンセル」や「閉じる」と書かれたボタンが設置されているケースがあるからです。

IPAが2022年に示した手順では、ChromeやSafariのタブの切り替えボタンを長押しして「タブを閉じる」を選べば、警告の画面に触れずに閉じられます。

その2 アプリをインストールした場合

第2に、アプリを速やかに削除します。

Androidは設定アプリのアプリ一覧から該当のアプリを選んで「アンインストール」をタップします。iPhoneは、ホーム画面でアプリを長押しして「Appを削除」を選んでください。

アプリの削除が終わったら、登録したつもりがなくても、その3に示す手順で「定期購入の一覧に入っていないか?」を一度、確かめておくと安心です。

その3 無料トライアルや定期購入を登録した場合

第3に、ストアで課金の登録をした場合、解約はアプリではなくストアの管理画面で行います。Googleは「アプリをアンインストールしても、定期購入は解約されません。」と明記しています。

  • iPhone:「設定」でユーザ名をタップし、「サブスクリプション」から該当のものを選んで「サブスクリプションをキャンセル」をタップします。ボタンは下にスクロールしないと見えないことがあります。キャンセルボタンが表示されないか、期限切れのメッセージが赤字で表示されていれば、解約済みです。
  • Android:Google Playの定期購入の画面で該当のものを選び、「定期購入を解約」をタップして、画面の指示に沿って操作します。
メモ

一覧に見当たらないときは、別のアカウントで登録した可能性があります。Appleは、「Appleからの領収書」などのキーワードでメールを検索し、どのアカウントが使われたかを確かめるよう案内しています。領収書が見つからなければ、ストア以外で購入した可能性もあるため、カードの明細で請求元を確かめます。

無料トライアル中なら、早めに手続きしてください。Appleは「トライアルが終了する24時間以上前に解約してください。」と案内しています。

その4 パスワードやカード情報を入力した場合

第4に、パスワードやカード情報を入力した場合、不正利用を防ぐために速やかに以下の対策を講じましょう。

  • パスワード:すぐに変更します。Apple Accountなら、パスワードを変更し、2ファクタ認証が有効になっているかも確かめます。
  • クレジットカード情報:クレジットカード会社に連絡して、具体的な対応を確認してください。まずはカードをロックすることを推奨します。
  • 電話番号と認証コード:身に覚えのないキャリア決済の請求がないか、携帯電話会社に確かめます。

上記の対応はできるだけ早く実行しましょう。実害が出てから取り返すのは手続きを含めて手間がかかります。特に、カード情報などの財産が危険に晒されるおそれがある場合は、何よりもまずカードを止めましょう。

その5 ブラウザの通知として警告が何度も届く場合

第5に、ブラウザの通知を「許可」していると、偽の警告が通知として繰り返し届くことがあるので、その削除を行いましょう。

Androidのスマホ

Chromeの場合(IPAがバージョン145で示した手順)

  1. Chromeを開き、画面右上の「⋮」(メニュー)をタップします。
  2. 「設定」をタップします。
  3. 「通知」をタップします。
  4. 「アプリ内のその他の設定」をタップします。
  5. 「許可されています」の下に並ぶURLから、見覚えのないものをタップします。
  6. もう一度、「アプリ内のその他の設定」をタップします。
  7. 「データを削除して権限をリセット」をタップします。
  8. 見覚えのないURLがほかにもあれば、5〜7をくり返します。

この手順で見つからないときは、Googleの案内どおり「⋮」→「設定」→「サイトの設定」→「通知」と進み、画面上部のスイッチを切り替えると、すべてのサイトからの通知をまとめてオフにできます。

Edgeの場合(IPAがバージョン145で示した手順)

  1. Edgeを開き、画面下の「≡」(メニュー)をタップします。
  2. 「設定」をタップします。
  3. 「サイトの設定」をタップします。
  4. 「サイトのアクセス許可」をタップします。
  5. 「通知」をタップします。
  6. 「許可されています」欄から、見覚えのないURLをタップします。
  7. 「アプリ内のその他の設定」をタップします。
  8. 「データを削除してリセット」をタップします。

Firefoxの場合(Mozillaのヘルプの手順)

  1. Firefoxを開き、「⋮」(メニュー)をタップします。ボタンは、画面の右下にある場合と右上にある場合があります。
  2. 「設定」をタップします。
  3. 「サイトの許可設定」をタップします。
  4. 「通知」をタップします。
  5. 「ブロック」を選びます。サイトを1つずつ選ぶ方法ではなく、サイトからの通知がまとめて表示されなくなります。

iPhone

Googleは、「iPhone や iPad では Chrome の通知は表示されません。」としています。一方でAppleは、Safariで「ホーム画面に追加」し、「ウェブアプリとして開く」をオンにしたサイトについて、「アプリの場合と同様に、ウェブアプリから通知を受け取ったり」できると説明しています。

Appleの案内では、アプリの通知は次の手順で止められます。見覚えのないウェブアプリから通知が届くときは、3の一覧でそのアプリを探してください。

  1. 設定アプリを開きます。
  2. 「通知」をタップします。
  3. 「通知スタイル」の下に並ぶアプリから、止めたいものをタップします。
  4. 「通知を許可」をオフにします。

パソコン

Chromeの場合(IPAがバージョン145で示した手順)

  1. Chromeを開き、画面右上の「⋮」(メニュー)をクリックします。
  2. 「設定」を選びます。
  3. 「プライバシーとセキュリティ」を選び、続けて「サイトの設定」を選びます。
  4. 「通知」を選びます。
  5. 「許可」欄で、見覚えのないURLの「⋮」をクリックします。
  6. 「削除」を選びます。

Edgeの場合(IPAがバージョン145で示した手順)

  1. Edgeを開き、画面右上の「…」(メニュー)をクリックします。
  2. 「設定」を選びます。
  3. 左側のメニューで「プライバシー/検索/サービス」を選び、続けて「サイトのアクセス許可」を選びます。
  4. 「すべてのアクセス許可」を選びます。
  5. 「通知」を選びます。
  6. 「カスタマイズされた動作」の「通知の送信が許可されています」欄で、見覚えのないURLの「⋮」をクリックします。
  7. 「削除」を選びます。

Firefoxの場合(IPAがバージョン148で示した手順。Mozillaのヘルプで補足)

  1. Firefoxを開き、画面右上の「≡」(メニュー)をクリックします。
  2. 「設定」を選びます。
  3. 左側のメニューで「プライバシーとセキュリティ」を選びます。版によっては「許可設定とデータ」という名前です。
  4. 「許可設定」の欄にある「通知」をクリックします。
  5. 見覚えのないURLを選び、「ウェブサイトを削除」をクリックします。
  6. 「変更を保存」をクリックします。

Safari(Mac)の場合(Appleのヘルプの手順)

  1. Safariを開きます。
  2. 画面上部のメニューバーで、「Safari」>「設定」を選びます。
  3. 「ウェブサイト」をクリックし、左側の一覧で「通知」をクリックします。
  4. 見覚えのないサイトの横にあるポップアップメニューで、「拒否」を選びます。

Macでは、アップルメニューの「システム設定」→「通知」→「アプリケーションの通知」でサイトを選び、「通知を許可」をオフにして止めることもできます。ただしAppleによると、この方法ではサイトが「通知」設定の一覧に残ります。

被害を受けたときの相談先

なお、上記の関連で被害を受けたときは、以下の相談先を

その1 技術的なトラブルに関する相談

画面の消し方やアプリの削除など、技術的な問題について相談したい場合は、IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」に連絡しましょう。

IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」、電話 03-5978-7509(10時〜17時、土日祝日・年末年始を除く)

その2 契約や支払いに関する相談

定期購入の解約などの契約や支払いに関するトラブルが起きたときは、消費者ホットライン「188」を利用しましょう。最寄りの市町村や都道府県の消費生活センターなどを案内する、全国共通の3桁の電話番号です。

PDF関連の怪しいメッセージ一覧

「PDFの有効期限が切れています」という表現以外にも似たような偽広告が存在します。ここでは、怪しいメッセージの代表例を紹介します。

「PDFバージョンが古くなっています」系の偽広告

「PDFを更新してください」系 偽広告の再現イメージ
「PDFを更新してください」系の再現イメージ。Yahoo!知恵袋への投稿(2025年7月9日)に添付された、YouTubeアプリの画面の文言をもとに編集部が作成しました。アプリ名は伏せ、色や配置は実物と異なる場合があります。警告の画面に見えますが、下に「スポンサー」と表示された広告です。

「PDFが破損しています」系の偽広告

「PDFが破損しています」系 偽広告の再現イメージ
「PDFが破損しています」系の再現イメージ。Yahoo!知恵袋への投稿にあった、サイトを開いた瞬間に「インストールしないとpdfが開けなくなるや破損しているから」とインストールを促す画面が出たという記述(2026年6月14日)と、広告の説明文にあった「ファイルを開けませんでした」「PDFファイルが破損しているため」という文言(2025年7月9日の添付画面)をもとに、編集部が文面を組み立てました。実際の画面の文言そのままではありません。

「PDFを更新してください」系の偽広告

「PDFバージョンが古くなっています」系 偽広告の再現イメージ
「PDFバージョンが古くなっています」系の再現イメージ。Yahoo!知恵袋への投稿(2026年1月16日)に、YouTubeを見ていると表示されたとして書き起こされた文言をもとに編集部が作成しました。投稿の「フアイル」は「ファイル」に整えています。色や配置は実物と異なる場合があります。

この他にも、PDFにまつわるトラブルを装った偽広告が次から次へと今後、出てくるおそれがあります。総じて、これらは詐欺であると考えましょう。PDFには、有効期限を定めたり、開くのにパスワードが必要だったりするものはありますが、Adobeでは「最終警告」のような不安にさせる案内は出していません。

騙されたことを恥じないでほしい

詐欺被害にあったとき、被害者のなかには、「騙されてしまって恥ずかしい」という気持ちになる人たちもいます。しかし、悪人が使う巧妙な罠を見破るのは容易ではありません。その手口は時間を重ねるごとにより一層、わかりづらくなっています。恥ずかしいなんて思うことはありません。悪いのは偽広告です。

だからこそ、一人で抱え込まないでください。もし、だれにも相談できないならば、Orbix Studioのお問い合わせからご連絡ください。もう一度いいます。悪いのは偽広告を出している詐欺師たちです。

あえてしつこく言うのは、以前、詐欺被害を受けたことで家族に迷惑をかけたとひどく落ち込んでしまった方と出会ったことがあるからです。その気持ち、よくわかりますよね……。だからこそ、周囲の人たちも騙された人を馬鹿にしたり、責めたりせずに、一緒に解決するために力を合わせてほしい、そのように願っております。

これから生成AIを悪用した偽広告が数多く誕生するおそれがあります。正直、手口の多様化はここから加速度的に進むと言わざるを得ません。そのため、お互いに気にかけ合う関係の構築を通じて日頃から注意するのが肝要です。本記事が詐欺被害を受けた方のお役に少しでもなれば幸いです。